先生は昼から仕事だということで,ここでオフィスへ.仕事の合間に,内部を案内してもらう.
オフィス着.第一印象は,個室の数の多さ.かなり大勢の講師が,それぞれの個室で英会話の授業をしている.多くの方が仕事中であるのに対し,へらへらと遊びにきてしまって申し訳なさを感じる.
休憩室.日本人のスタッフにお会いした.後で気付いたことだが,CEOだったようだ.あまりに腰の低さと,掃除をしていたゆえ,全く気付かなかった.後から思えば,もっとお近づきになるべきだった.
技術室.社員からはテクニシャンと呼ばれてる人が,作業する部屋.現在3人のテクニシャンがいるそうだ.皆,出社時間がばらばら.何となく,大学の研究室のノリに似ている.部屋の中には,溢れるほどのPCパーツ,半田セット4個,PC数台,ヘッドホンにマイク,直しかけのヘッドホン,などなど.
丁度,1人のテクニシャンがオフィスに来て,半田ごてでヘッドホンを直し始めた.新しく買い換えるのは高いので,基本的には修理するのだそうだ.大学ではコンピュータ・サイエンスを専攻していたらしい.専門が同じなので,話が盛り上がってしまった.この国では,大学で優秀な成績を収めると,メダルをもらえるようだ. 彼はかなり優秀で,多くのメダルをもっている.彼の主な仕事は,社内のネットワーク構成,PC環境の整備,クラッシュ等のトラブル時の対応など,主にインフラの運営・保守なのだそうだ.講師の使うPCの性能が悪いので,買い替えを検討中だそうだ.確かに,授業中にPCがクラッシュして通信が途絶えたことが,これまで何回かあった.未だにPen4を使っているんだよー,と言っていた(考えてみれば,弊社も同じだ).10,000ペソほどで新PCを整備できるそうだ.予算の都合で,コスト削減を図っているのだとか.コスト削減に関しては,他にも様々な工夫が見られた.例えば,扇風機を配備する代わりにCPUクーラーを卓上に置いていた.確かに,これは相当安い.おかげで,PCケースは開きっぱなしだが.今ハマっているものは,Facebookの何とかというアプリなのだとか.これが僕の彼女だ,と言っていたのが印象的.どの国にもオタクはいるものだ.彼の場合は優秀なオタクだ.彼のようなオタクは我が社に枯渇しており,特に必要な人材だと思う.
休憩室.講師たちが授業の無い時間帯に,談話や食事をする空間.30人以上の講師と喋り,その内,半数くらいは既知の先生だった.空港で会えなかった先生にも会えた.とあるおばあちゃん講師に,日本語を教えてほしいと頼まれた.自分の生徒のために覚えたいのだと.生徒思いの良い先生だ.60歳を超えていると思うのだが,吸収がとても速い.お礼に,色々なお菓子をもらってしまった.
休憩時間になったので,講師とテクニシャン数人で,フィリピン料理を食べに連れて行ってもらうことに.中には,フィリピンと日本のハーフもいた.タガログ語,英語,日本語の3カ国語を自在に操る.彼もテクニシャンの一人.日本語が使えるため,日本の生徒向けウェブサイトの構築も担当しているらしい.特に難しい仕事は,あまり良くない講師(失礼)の紹介文を書くことらしい.他の講師に伝わらないよう,日本語で会話していた.
オフィス近くの喫茶店.Leche Flanをいただく.フィリピンのデザートの一種.見た目も味も,プリンに似ている.ただ,プリンの独特の甘い香りはしない.そして,少し固い.とても美味.上に乗っているのは,ライスクリスピー.これは無くてもいいかもしれない.ちなみに,来店時にはSinigangのスープが無料で出てきた.日本での水のような扱い.相変わらずの不思議な酸味のおかげで,残念ながら飲めなかった.ハーフなテクニシャンは,俺も飲めない,と言っていた.
続いて,屋台へ.屋台の危険性について書かれたウェブサイトを散々見たので,これまで避けてきた.だが,講師たちが普段利用している店らしいし,まぁ良いかと.
よくわからないヌードルが出てきた.名前は忘れた.太さも歯ごたえも,うどんに似ている.汁の方は,卵スープに似ている.まずくはないが ,うまいとも言えない.十数ペソだったと思う.
更に屋台で炭酸飲料.就業中に,眠気覚ましに良く飲んでいるのだとか.味はRed Bullに似ている.
さようなら,オフィス.皆,フレンドリーで,良い人たちばかりだった.日本人やフィリピン人が混じり合う中で,皆生き生きと仕事をしていた.ベンチャーは良いなあと感じた.